木村花、三浦春馬、竹内結子…芸能人の自殺連鎖を止めた石原さとみの電撃結婚
石原さとみ(ホリプロオフィシャルサイトより)

上島竜兵の死を十数年前に予見していた専門医

先日、ある会場で脳神経の権威の医師から貴重な話を聞いた。今年5月に自殺したダチョウ倶楽部・上島竜兵(享年61)の死の原因が肩こりではないかというのだ。

この医師は長年、肩こりとうつ病の因果関係を研究しているそうで、十数年前に出演したテレビ番組で上島の肩を触診。尋常でないような筋肉の凝りを感じたという。

医師とは立ち話だったので正確には覚えていないが、スマートフォンの浸透によって日本人は肩こりが進み、それがうつ症状を招くという話だった。現在のうつ病のうち、大半がこの肩こりからきたもので、本当のうつ病は5%に過ぎない。中学生など若年層に自殺が増えているのはスマホを使いすぎて肩こりが進んでいるからだとその医師は言う。

確かに若年層の自殺は増えている。文部科学省が2021年10月に発表した20年度の「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」の結果によると、小・中・高等学校から報告のあった自殺した児童生徒数は、前年度(2019年度)比98人増の415人。調査開始以降最多となった。

こうしたことから、成人である上島の自殺も肩こりが原因だったのではないかと医師は推定するのだ。事実であれば、彼は十数年前に上島の自殺を予見していたことになる。

芸能人の自殺については筆者も思うところがある。2年前の2020年、有名人が次々と命を絶った。

5月23日、木村花(22歳)
7月10日、鷹野日南(20歳)
7月18日、三浦春馬(30歳)
9月14日、芦名星(36歳)
9月20日、藤木孝(80歳)
9月27日、竹内結子(40歳)

木村花さんはテレビ番組出演による嫌がらせが原因とされているが、筆者は素人考えながら、これらの人が命を閉じたのは同年1月から拡大が始まった新型コロナによる閉塞状況も影響しているのではないかと思う。

上島竜兵(インスタグラムより)

芸能人に共通する将来への不安感

あのころ、ベテランの小柳ルミ子ですら「(コロナで)これだけ仕事がないということは、自分に力がないんだって思った。業界に自分のポジションはないんだって」と語り、引退を考えたことを告白した。

サラリーマンには理解しにくいだろうが、芸能人は生活の保障がないため、「将来、仕事がなくなったらどうしよう」と怯えながら生きている人が少なくない。彼らが占い師にすがるのはそうした心理の表れと言ってもいい。

コロナでテレビをはじめ映画、演劇への出演が減った。改善の見込みはない。そう考えて追い詰められ、うつ症状になる。さらに同じ芸能人が死亡するニュースを見て悲観的になり、命を絶ったのではないだろうか。

ところがこうした悲劇の流れが変わった。

この時期、筆者は勤務先のネット番組でニュースを解説し、「これで芸能人の自殺の連鎖は終わると思う」と話した。話題は石原さとみ(当時33)の電撃結婚だった。10月1日、石原は一般男性との結婚を発表して世間をあっと言わせた。

筆者はこれで多くの芸能人が「なあんだ。苦しくなったら結婚すればいいんだ」と気づくだろうと思った。結婚しなくても逃げ道をつくる方向に意識をチェンジすればいいのだと。結果として連続自殺は途絶えた。

このように考えたのにはわけがある。2011年3月の東日本大震災の直後、風俗界の女性が常連客と結婚する傾向が強まったからだ。彼女たちは「人が大勢死亡する映像を見て怖くなった。いざというとき私を守ってくれる人がいるかと自問して、急に結婚したくなった」と語っていた。

渡辺裕之も仕事激減で悩んでいた

人間は逃げ道を求める生き物だ。そして石原さとみはそのサバイバル術の解決法を身をもって示した。石原自身も不安に怯えていたのかもしれない。所属のホリプロが結婚に反対したといわれるが、結果的には正しい決断だった。自殺の連鎖を止めたのだから。

今年(22年)5月、俳優の渡辺裕之(享年66歳)が自宅で縊死した。筆者はいつも人から聞いた話をエバーノートに記録している。20年7月のメモにこう書いてあった。

「渡辺裕之が仕事がないため出して欲しいと言い、マネージャーが声をかけている」

あくまでも伝聞情報だが、ここに真相があるかもしれない。

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