森昌子も逃げ出した 森進一「50円返せ」と迫ったドケチぶりと離婚の真相

妻の昌子はタダで使える従業員

音楽関係者や芸能記者と「一番ケチな有名タレントは誰?」という話題になると、決まってトップに挙げられるのが歌手の森進一だ(75)。森は大原麗子と離婚したのち、1986年に森昌子(64)と再婚したが、2005年に離婚した。。

離婚の理由については「森が度を越した吝嗇家だから」と言われている。

ある女性週刊誌のデスクはこう話してくれた。
「森進一は自分の稼いだカネを一銭も無駄にしたくないと考えている。要するに守銭奴。森昌子は彼と結婚し、すっぱり芸能界から身を引いて森の個人事務所で裏方の手伝いをしていたが、ほとんど報酬をもらっていなかった。また、月々の生活費は森が管理して『今月はこれでやり繰りしなさい』と渡し、昌子は自由に使えるカネはおろか、小遣いももらえなかった。森としては妻はタダで使える従業員。昌子はそれが不満で我慢の限界に達したんだよ」
このデスクは「森のケチぶりは話し始めたらキリがないほど逸話がある」と笑っていた。

他の女性週刊誌の記者はかつて、森の関係者からこんな話を聞いた。まだセブンスターが150円のころ、森が付き人に「タバコを買ってきて」と頼み、200円を渡した。森は飲食店で接待を受けていて現場は人が多く、取り込んでいた。付き人は買ってきたタバコを森に渡したが、お釣りを出す余裕がなく、渡しそびれてしまった。

翌日、森は付き人の顔を見るなり、「昨日のお釣り、どうした?」と催促した。付き人は財布から50円を返したという。

その女性誌記者は、
「確かにお釣りを返すのは当たり前の行為だけど、当時の森は年にウン億円を稼ぐスーパーリッチマンだった。それなのに、たかが50円を返せとは。付き人が安月給なのを知ってるはずだけど……」
と苦笑いしていた。

まだある。
ある音楽ディレクターによると、森は銀行などの金融機関を信用していないという。銀行が倒産して預金が戻ってこなくなるのを恐れているそうで、彼はこう言うのだ。
「森進一の豪邸の床板をはがすと、厚手のビニール袋に梱包した札束がざっくざっくと見つかるそうだ。『銀行に預けるのはイヤだ、だけど金庫に入れとくと泥棒に狙われてしまう』と警戒して床下一面に敷き詰めているらしい。それも何十億円もね」

まあ、常識的に考えてこの話は眉唾ものだ。豪邸が火事に見舞われたら、札束も一緒に燃えてしまうではないか。森のケチぶりを語る上で誰かがつくった創作だろう。それにしてもよくできている。

川内康範をさらに激怒させた花園饅頭

そういえば、07年に森がヒット曲「おふくろさん」の歌詞をめぐって、同曲を作詞した川内康範の怒りを買ったことがあった。

このとき森は手土産の紙袋を下げて、川内の住む青森県まで謝罪に出向いた。用意周到というかなんというか、芸能マスコミのカメラも同行させ、川内に門前払いされて雪の中で呆然とたたずむ姿を撮影させいてた。

このとき筆者はある落語家からこう言われた。
「森進一は手土産に花園饅頭を買って行った。川内康範はその饅頭に怒ったそうだ。理由は一番安い饅頭だったから。だから門前払いにし、その後も『森は許せん』と怒っていた」
本当に安物の花園饅頭だったのか。筆者は知るよしもないが、あり得る話だ。

カビがはえていた座長のプレゼント

筆者がよく酒を飲んでいた歌舞伎町のクラブのマスターはお笑い芸人出身。芸能界に人脈がある上に、店が歌舞伎町にあるため新宿コマ劇場の事情に詳しかった。

あるとき彼の店で酒を飲んでいると、森進一の吝嗇ぶりの話になった。
「先日、森さんのケチぶりを耳にしましたよ」
とマスターはにんまりした。

少し前に森がコマ劇場で座長公演を行った。こうした公演では千秋楽の打ち上げの席で、座長を務めた人物が出演陣に一人ずつ贈り物をするのが慣例になっている。「お疲れ様。またよろしくね」という慰労と感謝を込めてのプレゼントだ。

「通常、座長はマネージャーや付き人に頼んで、百貨店などでプレゼントを買ってくるものだけど、森さんは違った。過去に人からもらったお歳暮などのいただき物をごっそり持ってきて手渡したんです。実は僕の知人のⅩ君も下っ端として出演し、森さんからハムの詰め合わせをもらった。家に帰り、包みを開いてビックリ。すでに賞味期限が過ぎていたそうです」
マスターはこう話し、
「Ⅹ君は『しかもハムにカビがはえていた』と文句を言ってましたよ」
と大笑い。つられて筆者も爆笑したのだった。

森進一。愛すべき吝嗇家である。

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