「彼女と別れそう」は「ウソっぽい」と見透かされてしまう
若い女性と話すと、大抵の人が「今は街頭ナンパはなくなった。つまりナンパは絶滅危惧種よ」と言う。渋谷などで知らない男から「飲みに行かない?」と声をかけられてついて行くケースはほぼゼロ。実際、男どもがナンパに精を出す姿を見かけなくなった。
殺人報道が相次ぐ世の中だ。おそらく女性の危機意識が高まり、街なかでナンパを仕掛けてくる男を警戒しているのだろう。
女性に詳しく聞くと、居酒屋などで飲んでいるときに隣りの席の見知らぬ男性グループと会話が始まり、そのうちの一人と意気投合して、後日あらためてデートするパターンが多い。屋外から屋内へとハンティングのフィールドがチェンジしたようだ。
一方、女性がパートナーを探すために積極的に利用しているのが合コンだ。知り合いの友達、あるいは友達の知り合いなどが一堂に介するため、危ない男が紛れ込む危険性が低いと判断するようだ。
ただ、そこにも問題がある。以前、テレビでアナウンサーの田中みな実が、
「合コンで『妻と別れそう』とか『彼女と破局しそうだ』と話す男性が多い」
と指摘していた。
別れそうなのが事実であったとしても、女性は「ウソじゃないの?」と用心するもの。あまり「破局の可能性」を主張するより、淡々と事実関係を語ったほうがいいと、以前女性ライターから言われた。
「合コンで出会った女性に『2年前から、つき合っている彼女と連絡が取りにくくなった。僕を避けているようだ』と説明する程度に留めるべきです。女性が詳しく聞いてきたら、『どうやら僕以外に恋人ができたみたい』とあっさり話す。恨みがましい口調はNGですよ」
恋人に逃げられた惨めな男のイメージだから自分のグレードは下がるかもしれないが、ウソで固めるよりも本当のことを告げたほうが好感度が高い。また、「この嘘つき」と恨まれるようなトラブルを避けることもできる。危機管理コンサルの世界では「正直は最善の策」というが、合コンも同じセオリーが成り立つようだ。
「ワイシャツにお金をかけなさい」
「彼女が欲しい~」と切望すると、どうしても焦ってしまう。オシャレなほうが女性に好かれるだろうと考えて、アルマーニのような高級スーツをローンで買う若者もいるそうだが、これは逆効果。せっかく大金をはたいたのに、女性に引かれてしまう。
男女問題に詳しい女性評論家に聞いたら、前澤友作でもないのに、20代、30代のサラリーマンがウン十万円のアルマーニのスーツを着た場合、「この人は見栄っ張り」「金銭感覚が鈍い」「結婚生活が破綻する」と女性に敬遠されるそうだ。
「合コンに着て行くのはややオシャレな吊るしのスーツとレジメンのネクタイで十分。その代わり、ワイシャツにお金をかけなさい。1980円のシャツではなく、1万円以上のシャツを着て行くと、女性は『この人はセンスがいい』『オシャレに気を使っている』と一目置き、会話もはずむ。結果的に安上りとなります」
女性はオシャレな男にひかれるのだ。
言うまでないことだが、靴も大切だ。銀座のクラブのママさんなどはこう言う。
「高級な革を使った靴をピカピカに磨いて、颯爽と歩いている男性を見ると『素敵ぃ』と振り向いてしまう。どんなに仕立ての良いスーツを着ていても、足元が汚れていたり、安物だと幻滅よ」
世の中にはスーツやネクタイよりも、靴を集めるのが好きな男がいる。筆者の友人のS君もその一人。普通のサラリーマンだが、20代前半からオーダーメイドで靴を注文し、一番古いものは40年以上履いているという。
「注文するときはやや価格が高いけど、オーダー品は愛着を感じるし、その後も修理がきく。一生ものなので結果的にお得だよ」
S君は会うたびに、流行に左右されないカッコいい靴を履いている。筆者は彼ほどのこだわりはないのでオーダー品には手を出さないが、なるべくリーガルを買うようにしている。
靴底がすり減ると近所の修理屋に出し、店の職人に話を聞く。先日、こんな説明を受けた。
「ブランド品の靴はたしかにカッコよく思えるけど、しょせんはアパレル企業の副業。丈夫さではリーガルやマドラスみたいな専門メーカーにかなわない。やはり靴は靴屋の商品を買うべきです」
なるほどねえ。